プログラミング教育向けのロボットとして人気のmBotシリーズには、mBotとmBot2の2つのモデルがあります。
本記事では、それぞれの基本情報や機能の違い、プログラミングの特徴について詳しく解説します。
どちらを選ぶべきか迷っている方の参考になれば幸いです。
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mBotとmBot2の基本情報
mBotとは

mBotは、Makeblock社が提供する教育用プログラミングロボットです。
初心者から中級者まで幅広い年齢層に対応しており、プログラミングの基礎を学ぶのに最適です。
mBotは、簡単な組み立てと直感的なビジュアルプログラミングを特徴とし、STEM教育(科学、技術、工学、数学)の一環として多くの教育機関で利用されています。
mBot2とは

mBot2は、mBotの後継機としてMakeblock社が開発した新しいプログラミングロボットです。
より高度な機能と性能を備えており、特に中級者から上級者向けに設計されています。
また、CyberPiという高性能なマイクロコンピュータを搭載しており、より複雑なプログラミングやAI(人工知能)を学ぶことができます。
mBotとmBot2の違い・比較
【一覧】mBotとmBot2の違い
概要
入力装置(センサー)
出力装置
機能・プログラミング方法
価格の違い
mBotは比較的安価で、初心者でも手が出しやすい価格帯です。
一方、mBot2は高機能なため価格が高くなります。
2025年2月現在、2倍ほどの価格差があります。
(mBot:1万円前後 mBot2:2万円前後)
マイコンの違い
mBotはArduinoベースのマイコンを使用していますが、mBot2はCyberPiという高性能な学習用コンピュータを搭載しています。
CyberPiは、より高性能でAIやIoTプログラミングにも対応できます。
CyberPi単体でもプログラミング学習に用いることができる優れものです。

ライントレースセンサーの違い
mBotは2個のセンサーを搭載しているのに対し、mBot2は4個搭載しており、より正確なライン検出が可能で、且つカラーの検出ができます。


プログラミングに関しても、mBotでは2つのセンサーの値のみを用いるのに対し、mBot2ではセンサー値(2個/4個)と偏差を用いた制御が可能で、より高度なプログラミングが可能です。

ライントレースセンサー値に関するブロックは1種類。



ライントレースセンサー値に関するブロックは3種類。
超音波センサーの違い
両モデルとも超音波センサーを搭載していますが、mBot2の方がより高精度な計測が可能です。
また、一番特徴的な違いが、mBot2の超音波センサーには左右合わせて8個の青色LEDが搭載されています。
これにより、mBot2の感情表現を高めることができます。


ボタンの違い
mBotはシンプルなボタンを1つ備えていますが、mBot2はCyberPiに3つのボタン(Aボタン/Bボタン/ジョイスティック)を搭載しており、より多様な操作が可能となっています。


その他センサーの違い
両モデルとも基本的なセンサーを搭載していますが、mBot2ではCyberPi内にも様々なセンサーを搭載しています。
CyberPiは、加速度センサーやジャイロセンサーを搭載しており、傾きや動きを検知した複雑なプログラミングが可能となります。

モーターの違い
mBotは通常のDCモーターを使用していますが、mBot2はエンコーダモーターを搭載しており、回転、速度、位置をより正確に制御できます。



mBotのDCモーターで制御できるのは、回転速度に関する1種類。



mBot2のエンコーダモーターで制御できるのは、回転速度・距離・回転角度に関する3種類。
LEDの違い
両モデルともRGB LEDが搭載されており、mBotが2個、mBot2がCyberPi上に5個です。


音出力の違い
mBotはブザー音のみですが、mBot2はCyberPiにスピーカーを搭載し、様々な楽器の音楽や音声(人の声)を再生することができます。
プログラミング面では、mBot2は録音・再生、再生速度や音量の変更に対応しています。
機能面の違い
mBotは赤外線通信を使用しており、近距離での通信に限られます。
一方、mBot2では無線LAN通信を使用することで、より高速で信頼性の高い通信が可能となり、広範囲での操作やデータ通信が行えます。
また、mBot2はAI機能やIoT機能が追加されており、音声認識やクラウド連携など、より高度なプログラミングが可能です。
プログラミング方法の違い
両モデルとも、Scratch(スクラッチ)ベースのプログラミングツール『mBlock』でのプログラミングがメインです。
それに加えて、mBotではArduino、mBot2ではPythonのテキストベースプログラミングにも対応しています。
mBotとmBot2どちらを選ぶか
機能面では間違いなく『mBot2』が優勢ですが、それに伴って価格が高くなります。
また、mBot2は高度なプログラミングが可能な反面、一定量の基礎知識が必要なため、初心者がいきなりmBot2を扱うのは難易度が高く、諦めてしまう人がいるのも事実です。
そういったことを踏まえて、それぞれのモデルに適した人を次のように挙げましたので、参考にしてみてください。
mBotがおススメな人
- プログラミングを初めて学ぶ初心者
- 低コストで始めたい方
- シンプルな機能で十分な方
- Arduino(C言語やC++)を学習したい方
mBot2がおススメな人
- より高度なプログラミングやAIの学習を目指す中級者から上級者
- プログラミング学習のステップアップをしたい方
- Pythonを学習したい方
まとめ
mBotとmBot2は、それぞれ異なる特徴と利点を持つプログラミングロボットです。
初心者向けのmBotと、中級者から上級者向けのmBot2を選ぶ際には、使用目的や学習レベルに応じて選択することが重要です。
どちらのロボットも、プログラミングの楽しさと学びを提供してくれる素晴らしいツールですので、是非、自分に合ったモデルを選んでプログラミングを楽しみましょう!