ロボット教材「mBot」はその手軽さと学びの深さで多くの教育現場や家庭で採用されています。その拡張パーツの一つであるLEDマトリックスは、mBotに視覚的な表現力を加えるユニークなアイテムです。今回は、このLEDマトリックスの特徴や使い方、実際の感想についてレビューします。
LEDマトリックスの特徴
LEDマトリックスは、16×8ピクセルの小型ディスプレイで、以下のような特長を持っています。
- 多彩な表現が可能
絵文字や文字など、自由に描画できるので、自分だけのオリジナルデザインを楽しめます。点滅やスクロールなどの動きを加えることで、表現がよりダイナミックになります。 - 初心者にも優しい設計
専用ソフトウェア「mBlock」を使えば、点灯個所のクリック一つで簡単にプログラム可能。複雑なコードを書く必要はありません。 - 学びと創造性を拡張
プログラミングを通じて、論理的思考や問題解決能力だけでなく、創造性も養える教材です。
LEDマトリックスのプログラミング方法
準備
- mBotにLEDマトリックスを取り付け、ボード上の空いているRJ25ポートに接続します。
プログラムの作成
ここではmBlockを使用したプログラミング方法を解説します。
(Arduinoでのプログラミングは別の記事で解説します)
- mBlockの「LEDパネル」タブの中にLEDマトリックスのブロックがあります。この中から任意のブロックを選びます。
- 一例として、下図のブロックを用いた場合、パネルの表示内容の部分をクリックすると、点灯個所の設定画面に遷移します。
- 設定画面では、8×16のマスに対して任意の場所をクリックすると、点灯個所を設定することができます。
- プログラムを実行すると、設定どおりにLEDが点灯します。
LEDマトリックスを実際に使ってみた感想
プログラム作成は、子供でも理解しやすいブロック形式で、すぐに結果が見られるのが魅力です。初心者でも挫折することなく取り組めます。
また、顔文字や自分の名前、スクロールする文字アニメーションまで、多様な表現が可能です。幼児の息子は、自分の描いた絵が実際にLEDに表示されると目を輝かせていました。学びが一層楽しくなる様子が印象的でした。
一方で、プログラミングにmBlockを用いた場合、LEDマトリックスに関するITリテラシーの向上は限定的と感じました。コード上ではLEDの点灯個所が座標で定義され、各列1byte分のデータで定義されていることは、mBlockでは理解できません。そういった部分でのリテラシーの向上は、Arduinoを使ったテキストプログラミングが必須と思われます。
LEDマトリックスの活用アイディア
LEDマトリックスの活用例として以下が考えられます。
センサーの読み取り値の表示
mBotは標準で3つのセンサーが搭載されています(ライントレースセンサー、超音波センサー、光センサー)。各センサー値は確認ができないため、LEDマトリックスに表示させることで値を確認することができます。
プログラム実行結果の表示
例えば、正常動作中は「OK」、センサーによる危険を察知したらその内容を表示するなど、一目でどのプログラムが実行されているかの判断に使うことができます。
メッセージロボット
「こんにちは」や「ありがとう」、顔文字などのメッセージを表示するロボットを作り、家族や友達を楽しませることができます。
まとめ
mBotのLEDマトリックスは、視覚的な表現を通じて、プログラミングの楽しさを広げる素晴らしいツールです。簡単な操作で多彩なデザインを作成でき、学びながら創造力を育むことができます。
プログラミング教育をさらに魅力的なものにしたい方、子供たちの創造性を引き出す教材を探している方は、mBotとLEDマトリックスを組み合わせてみてはいかがでしょうか。
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